薪ストーブの中には煙突ダンパーが最初からついているものと、そうでないものとがある。
マウンテン2bは最初から煙突ダンパーがついていた、付いていないものは後付ができるようにパーツが売っているみたいです。
で、その煙突ダンパーがどんなものか、我が家のマウンテン2bで図解してみます。
左の写真は扉をあけて火室をみたものです。
奥の方に見えるのが二次燃焼システムの疑似的なものです。
その上に、直接炎が煙突に行かないようにするためのプレートが設置されています。
もう少し中に入って見てみましょう。
こんな感じで見えます。
疑似燃焼システムのあの小さな穴から、熱せられた空気が噴射してきます。本来のシステムならば、燃焼でおきた煙がここでもう一度燃焼されて炎が吹き出すみたいです。購入したお店「ストーブショップルネサンス」オーナ様がおっしゃるには、遠赤センサーで測定すると、そこから500度の炎風が吹き出て、それはオーロラの色をしているのだそうです。私のマウンテン2Bにはそれがありませんでした。
それではもう少しわかりやすいように、直火を避けるプレートを外してみましょう。
これは手で外せます、二つのネジでひっかけているだけです。ついでに外したので綺麗にしてきました。
プレートを外すと、疑似二次燃焼のボックスだけになります。このまま上を覗いてみると・・・・
ご覧のような煙突ダンパーが見えます。
この煙突ダンパーは、完全に閉じても煙がちゃんと最低限逃げるように二つの穴がもうけられています。
二ヶ月かん廃材やらを焚いてもこのぐらいのよごれです。
この煙突ダンパーの役目は、火室内の熱を直接煙突に入れない、そのため火室内の温度がダンパー無しのストーブより早く上昇し、またストーブの温度をより高く保てる、と言う役目が一つあります。また煙突に熱い煙をそのまま多量に通さないので煙突の温度が抑えられます。
もう一つは、これによっての炎の調整ができます。
エアーダイヤルのみのストーブですと、空気の入る量で燃焼を調整するのですが、絞りすぎると煤けたりしてしまいますが、このダンパーの場合、エアーはそのままで、煙突の引きの強さを調整して燃焼をコントロールするといった感じです。ですので全閉にしない限り煤けることはあまりありませんが(全閉でもあまり煤けない事もあります)、エアーを十分入れた形で燃焼を抑える装置というのでしょうか。ダンパー全開の時はゴーゴーと燃えさかる炎なのに、半分ダンパーを閉めるといきなりユラユラとした落ちついた炎にかわり、火室内の温度がぐんぐん上昇しはじめます。これを全開のままだとゴーゴー燃えていても、その熱がほとんど煙突の引きによって外へ放出されて温度上昇に時間がかかってしまうのです。なんとなく理想的なコントロールユニットって事になるのをここ最近しりました。オプションで売られているので、装着してみられるのをお勧めいたします。
さて、この左の写真は、マウンテン2bの上部にあるエアースライダーですが、これは全く意味をなしていない模様です。ですのでこれはいつも全開のままです。未だに使用目的がわかりません。
これはマウンテン2bの下部にあるエアーダイヤルです。これはご覧のようにほぼ全開、もしくは二割ほどしめるぐらいで、あまり動かすことがなくなりました。
以前は色々と試行錯誤しながら上のスライダーや、下のこのダイヤルを回したり、そしてダンパーを閉じたり開いたりしていたのですが、ここにきてようやく燃焼の状態がわかってきて、この位置に落ち着きました。
またこのマウンテン2bでは、このダイヤルが扉のガラスを煤けさせないエアカーテンの役目もしているので、これを絞ると瞬く間に真っ黒になりました。
後、たまに着火したての時にすごい勢いでここから炎が出てくることがあります。それも蒸気機関車のような音をさせてボッボッと迫力満点で出てきます。ちょっと最初は焦りましたが、今ではそれもどうなるのかわかるので、そのまま放置です。
この写真は、今回特集した煙突ダンパーの調整レバーです。現時点は全開状態、そして矢印の方向に倒すと閉まっていきます。最初はどの位置が全開でどの位置が中間で、全閉がどのぐらい倒したときなのかをきっちり把握しておかなくてはいけないでしょう。慣れると、目測で今このぐらい開いていると言うのがわかります。
これは今回おまけで記載しました我が家のシングル煙突120mm管です。室内の直管は長さが可変できるタイプで、その直管の壁側に熱を遮断するカバーをとりつけています。これも本間製作所さんの部材リストにはいっています。
見ての通り室内の折れ部分はシャーリングの曲げ管です。ここの所を蓋のあるL字管に変えると、その蓋をあけて室内から室外の横引きを掃除できて、そのまま今度は屋外のL字の蓋を取っていればゴミだ下へ出せます、で、次はそのまま屋外の直管にブラシを通して掃除できるので、煙突をいちいち分解する必要がなくなります。次回の改造計画です。
(室内の直管はほとんど汚れないので1シーズンなにもしなくて良い感じです)
以上が煙突ダンパーの簡単な説明でした。
6 件のコメント:
ダンパーの詳しい説明をありがとうございます。丁寧に解説していただいたので、自分でダンパーを使っていないにも関わらず、何なくイメージできました。
ところで、二次燃焼が擬似的、偽ものということでショックを受けたようですが、一度実験してみていただきたいことがあります。
部屋の中がサウナ状態になったり薪がもったいないと思うかもしれないですが、暑ければ窓を開けてでも、廃材を焚くと温度が上がりすぎて危険ですのでとりあえずそのうち薪が十分入手できたらぜひ。
それは「これでもか」というくらいガンガン薪をくべてボーボー燃やして炉内の温度を上げて燃焼ガスを充満させてみて欲しいのです。くれぐれも焚きつけや小割りではやらないようにして中割り以上のやつお願いします。
その時に二次燃焼の噴出し口からいつもと違う炎が出てくるようになるかどうかです。
かわはらさん
アドバイスありがとうございます。
火室の燃焼温度をあげて、中のエアーシステムがエアーなのか排気の二次燃焼なのかの実験ですね。
ところが、重大な欠点がこのマウンテン2bにあるのです!それは
「小さい!」なのです、これはどういう事かと申しますと、火室に沢山中割り以上の薪がくべられないのです・・・
でも実験はできそうです、それは中割りから以下で沢山薪をくべて熾火にしてといった感じになりそうです。
ちなみに、ルネサンスさんが教えてくださったのでは、SCANのストーブは(これがお店の方の経験されたストーブの中で一番オーロラ炎が美しく綺麗だそうです)、本体温度150度ほどで、その二次燃焼システムからオーロラ炎が出てくるのだそうです。二次燃焼の穴から煙りが噴出され、瞬間に青いオーロラ炎が揺らめくようです)本物はちがうのですねぇ。マウンテン2bは煙ではなく、あきらかにエアーです。こうなると一度見てみたですねぇ~クリーンバーンのオーロラ炎!!
なんせカナダに住んでいながら、ユーコンなどにいかずに、本物のオーロラを見られなかったですから・・悔しいです。(いつでも見に行けると思っていたのがよくなかったです)
オーロラ燃焼を見るためだけ、炎の噴出しの確認のためだけとなってしまい、普段いつもやるようなことではないですが、「スロットル全開でフルパワー時」の状態というのを知っておくのも悪いことではないと思います。
普通の乗用車でもサーキットに持ち込んで限界ギリギリの走行時の挙動を知っておくと普段の運転でも余裕を持てますからね。
上手く焚けばたぶん炉内の中で、オーロラ燃焼が見られると思います。
かわはらさん
たしかに!
レースの経験では
まず「ノーマルで最大限走り込む!」
そしてノーマルではじめて不満や限界を感じたらチューニングする。
ここを若い人たちは、どうしてもパーツに最初目がいって、ノーマルの挙動や状態がわからずしていきなりレーシングパーツをつけるので、最初からもう自分のマシンがわけわかめなんですね。で、よぉ~く街中で改造車の音をきくと私は「あの車・・・壊れてる?」です。
で、大概そうして改造していた人がノーマルに戻すと「こんなに乗りやすかったの?」ってなるんですよぉ。
さすがメーカーの人達がとことん開発費をかけて作ったものです。
そこを自分に合わせるのがチューニングですから・・・おっと!ついつい熱がはいって書いてしまってます、すみません。
ここらの話も沢山色々な事がありますねぇ。
わたしもマウンテン2bの隠されたポテンシャルを見てみないと。最初の実験機でもあり「赤とんぼ」的ですかね。
こんばんわ、やはりMountain-2bの内部構造は、tbi-386とほぼ同じです。ですので、少なくともその二次燃焼システムがニセモノということはないはずです。テストされるのであれば、私の考えも(あたっているかどうかわかりませんが)試していただけないでしょうか?
オーロラの炎が見えなくとも、二次空気の温度が十分高くなっていれば、バッフルにあたる未燃焼ガスを二次燃焼させてくれているはずです。ただし、二次空気口は構造的に狭い通路をぬけてくるため、ダイアル式の一次空気口が全開に近い状態ですと、二次空気はほとんど噴出してきません。つまり、煙突が暖まり十分なドラフトがある状態で、一次空気口(ダイアル)を閉めていくと、二次空気の噴出がはじまり、未燃焼ガス(煙)を再度燃焼させて完全燃焼に近づけてくれます。
うまくこの状態に持っていければ、煙突からの煙はまったくと言っていいほど見えなくなります。このときの炎は、以前にも書きましたが、薄く透きとおった暗い赤~場合によっては青白い炎となり、ストーブ天板の温度は、250~350度くらいに上がって行きます。(私の温度計はバイメタルであまりあてになりませんが)
薪の量は多いほど良いですが、二次空気口を塞がない程度にしたほうがわかりやすいでしょう。うちの場合は、特段細めの薪を多くくべなくても、ヒノキの特大割二本で、十分上に書いた現象が起こります。
焚きつけ時はもちろん、ダンパー、ダイアル全開でいきます。そしてストーブ天板の温度計が200度くらいになったら、炎と二次空気口を見ながらダイアルを閉めていきます。ダイアルを閉めていくにつれ、徐々に二次空気口からのエアーの噴出が強まるはずです。たいてい、ダイアル全閉から1回転から半回転戻しくらいがちょうど良く燃える感じです。ここで、ダイアルはそのままにして、こんどは煙突ダンパーを絞っていきます。全開から閉めていくにつれ、炎の色合いが、明るい黄色~暗い透きとおった赤~最後は燻ぶり気味へと変化すると思いますが、経験的に暗い透きとおった赤のときが、もっとも煙が少なくなるようです。かわはらさんがおっしゃるのと同じことなのですが、実はオーロラの炎は、燻ぶりぎみの時に発生します。酸素不足で燃えたくても燃えられないまま未燃焼のガスがただよい、炉内でたまたま酸素と出会ったところで、ユラユラっとオーロラのような形で燃えるようです。あの独特の色合いは酸素不足で一酸化炭素が発生し、その一酸化炭素の燃焼色の影響だと思われます。
私は、オーロラの炎は直接的には二次燃焼とは関係ないと思っています。誤解を恐れずに言うなら、ヒゲMacさんの聞いたショップの方の説明にも疑問があります。二次空気口はあくまで空気を炉内に取り入れるためのもので、そこから煙が出てくるはずはないのですが。(だだし、まったく異なった二次燃焼構造を持った薪ストーブなら別です)それと本体温度の話ですが、知り合いのヨツールf400も150度程度で二次燃焼が起こります。本体温度の問題は、燃焼している薪の発熱量と、ストーブの質量でずいぶん違ってきます。基本的に小さいストーブは巡航温度が高くなりやすく、大きいストーブは低めで推移します。可能であれば、私のコメントも参考にテストしてみていただけませんでしょうか?(個人的な興味の話に入ってしまって、ウンザリさせてしまいましたらお許しください。)
うばめ屋さん
貴重なアドバイスを感謝いたします。
そうなんですか、マウンテン2bとTBI-386は同じような構造なんですか、やはりマウンテン2bの後ろに刻印された「tbi」は兄弟の証かもですねぇ。
多分そちらが後期機種かもです、こちらは古いオールドバージョンのような・・。
うばめ屋さんのおっしゃられた方法を今度実行してみますね。
なんだかオールドバージョンのマウンテン2bは下のエアーダイヤルを絞っていったら即刻ガラスが真っ黒にってなりそうな・・・・汗
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