さきほどGPS関係のお店が運営されているブログサイトにて、等高線、林道などの話題があり、最近ヌビでヒゲがそれがしの事をやっていてちょっと気になる文面があったので少し書いてみます。
ただそれと同時に、ヒゲが今の写真家としての仕事と同じくらいキャリアを重ねた仕事が「測量」なのです。地図とは縁深い仕事ながら、ヒゲは全然土木関係の学校などまったくいっておらず、現場たたき上げで育ちました。(写真の仕事もそうなんです(^▽^;))
ですので広い数学的知識が殆ど乏しいので細かい数値計算などは大の苦手!(>.<) 図面を引いたり三角関数などは現場で必要だったので独学しながらやりましたが、現役を遠く離れてすでに忘れています(都合よすぎ!(^^;) よくヒゲが測量の話題を出すのですが、一応色々な仕事や作業に携わってきた若い頃、あまりに沢山色々なことをしていてそれらで得た経験をお話しすると「ほんまにこの人やってたの?知識だけ話だけかも」と思われるのちょっと悲しいので、今回は具体的な証拠として一般の人には殆ど縁がない道具「トランシット」をご紹介いたしましょう!(^^)v
はい、これがトランシットでございます。もちろん、これはふるーいふるーいアナログを奮闘させる年代物の博物館にいきそうなものですが、ヒゲが測量をしだした当時にこれをかついて山と言う山、尾根、谷間、断崖絶壁を伴にした道具なのです。重たいのですよ~・・・
これは舶来品でみなさん名前だけは知っているかもなのですが「カールッェワイス」です。とても歪の少ない長時間見ていても疲れないレンズがヒゲの大のお気に入りでした。ただ・・・測量結果は常に「野帳(やちょうと呼びます)」に書き込み、それらは目標を見るファインダーとバーチカルとホリゾントを見るファインダーの2つがあるのですが、そこを読み取り記入、目標はスタッフと言う5m伸びる測量用の定規に刻まれた目盛りを読んで記入します。(このスタッフのメモリもすごいのです!遥か100mぐらい離れてしまうと蜃気楼で小さなメモリは読めません、ですので考えた人はすごいのです、そのメモリの向かって左隣に得たいの知れないブロック上の黒と白のバーコード的なものが刻んであり、それが5cm単位の目標測位ができるようにしてあるのです、また制度をあげるために、そのスタッフを前後に振ってもらって、トランシットのヘアー(ファインダー内の細い線)に丁度ピッタリ動かない前後に降った丁度山の頂点、そこが目標物の垂直地点で正確な値なのです・・・・文面で説明するのは難しいですねぇ)
これは無理やりレンズから測定値のファインダーの中を
撮影したもので、写っているのはホリゾントの数値です、
この上に黄色いしたバーチカルメーターがあり、
ファインダーの中は上下に別れてメーターがあります。
メモリは20秒刻みです。真ん中とって10秒もおかしくは
ないですが・・・
撮影したもので、写っているのはホリゾントの数値です、
この上に黄色いしたバーチカルメーターがあり、
ファインダーの中は上下に別れてメーターがあります。
メモリは20秒刻みです。真ん中とって10秒もおかしくは
ないですが・・・
そして測定値を見るファインダーは左のミラー(丸い部分)を開けて、そこから外光をとりこみ見るのです。基礎の基礎をいくトランシットです。
これから次に購入したのがTOPCON(トプコン)の光波(デジタルトランシット)で、これにより事務所に帰ってのタンジェントやシータなどの計算をせずとも直接目標物との高さ、直線距離が液晶に現れ、それを野帳に記録するだけでよくなり、飛躍的に仕事がはかどりだしました。ただ・・・バッテリーが持たないのです、レーザーを発射するのでバッテリーの持ちが悪いんですねぇ。(これはちょっと取り出せませんでした、また今度機会があれば紹介します)
この後、勤めていた測量屋さんが店をたたんで、そのままそこから紹介でいった土地家屋の測量をやりましたが、ここではかなり進んだ機材でニコンの「トータルステーション」が導入され、野帳なんてものはなく、すべてニコンのトランシットと電子野帳(感熱紙方のプリンター)で接続し、よほどの事が無い限り筆記することがなくなってしまいました。
会社に帰るとそのままPCにデータを流し込み測量点を展開、そのまま三角点や市の持っている任意座標をもらってきて2点にあてがうと、その時に測量した点すべてに座標がうまれ土地が確定されるのです。そばらしいものでした。(^^)v
で・・・このトランシット、水平を出すのは当然!機械が斜めでは超精度の測定はできません、そして一番素人の人には難しい多分殆どの人がやってもらうと出来ないのですが、機械を据えた三脚の下に座標の杭やピンがあるのですが、その十字の真ん中どんぴしゃ!にもっていき尚且つ機械は右にも左にも水平を出すのです。
まず最初からやりかたを教えても出来ないですねぇ。(自慢は・・・(^^; ヒゲは社長にその場でやり方を1回見本をみせてもらい、そのまま少々時間がかかりましたが出来ちゃいました!それも!!山の斜面なんです・・・ヒゲは書物から文面で理解するよりも、見て理解するほうが無茶苦茶得意!ですから見て習う、親方のやりかたを盗むといった具合な覚え方です) このトランシットの据え方はいま現時点のかなり高性能になってもまったく変わっていません。
この下の3個のダイヤル、これを慣れている人は同時に両手の中指と親指でグルグルまわしてあっという間に水平を出します。その時に三脚に固定しているトランシットですが、その雲台の真ん中は真下が見えてまして、トランシットの下部にその真下を見るファインダーがあり(ファインダーだらけです)、そこからトランシットをたてている真下の杭やピンの真ん中をチェックしてまっすぐそして真ん中にもっていくのです。精度はすごいいりますからねぇこの仕事、カメラの三脚とはまた違った熱での誤差やそこらも考えている三脚ですし、写真の世界とは全然違うシビアなものなんですよ。(^^)v
このように両手でグルグルまわしてサッ!と水平そして垂直をどんな凸凹の道、山の斜面、ぬかるんだ場所でも出してしまいます。職人技です!!(^^)v(ヲイヲイそこまで自慢するか!)
とまぁこんな感じで毎日山の中を機材と杭、弁当に水を背負ってうん万円のザンバラン登山靴履いて野を超え山超え谷超えてとやっていました。雨、雪、強風、雷・・・自然との接し方ってこうなんだと感じながらGPSなんてなくただただ地理院の図面を頼りにひたすら道なき道をすすんでカマもって伐採していたのです。薪ストーブの原木探しや薪割りなって屁じゃありません!(言葉が悪い!)
で・・・今日見ていたGPSのお店のサイトで等高線の精度の良いのが重要とかなんとか・・・思わず???となってしまいました・・・それは・・・等高線ってフリーハンドでつないでいるのって知らないのねん・・・って思っちゃったのです。 カクカクの表示の等高線でもかまわないのです、本当に山で道がないところを進む地図の読み方は正確な等高線の間隔やそんな描写じゃござんせん!
測量士が手で書いたコンターを信じているのは大間違い! コンターは山の格好をみて自分の現在位置を見る役目ぐらいです。といった事で元プロがそこへメールしても良かったのですが、まぁ時期わかるでしょうってことで・・・(^^; 地理院のコンタがちゃんと出ていれば滑らかでなくてもしっかり山歩きはできますよ。ヒゲは今のヌビのコンターがとても気に入っています。(^^)v
しかしこんなころから三脚、レンズ、ニコンと今に通じる何かがあったようです・・・ってこじつけですねぇ~(^^;
8 件のコメント:
カメラの三脚も、きちんと水平にセットするのは地面が平らでないところだと、コツがいりますよね。
軽くてショボイ三脚を持っています。この間夜景を撮影しようと200ミリの望遠レンズで撮影したらブレてくれて、捨てたくなりました。
かわはらさん
細い三脚などはぶれちゃいますねぇ、そんな場合は三脚の中心にあるポールの下に引っ掛けられるものがあれば重石を袋に入れて引っ掛けてやれば三脚ブレがかなりなくなります。試してみてください。(^^)v
測量での三脚は材質の熱による変化などを気にしています。夏場はアルミなどの膨張があるので色々と大変ですが、どうしても夏場歪みますから、そんな時はトランシットの気泡管をよくみて、また三脚下の杭のポイントをチェックしてずれていたらゆっくりダイヤルで気泡管を戻して修正します。
A級クラスの測量になるとすごいシビアですが、ヒゲが面倒だった測量はトランシットを往復で見て機器自身の回転軸誤差をホリゾントの秒に出して平均をとる測定でした。
特に山をカットする測量などはほんの数秒で大きく砂の量が変わり、そのダンプで回収する量が全然かわり何千万も金額が変わるので大変です。責任重大でした、あとトンネル測量はこれまた細かいですよぉ~・・・と測量ネタは沢山ありますが、話しても面白くないのでここまでですね(^^;
知識程度に留めておいてください。
なるほど!三脚に重りをぶらさげてやるというのは目からうろこのアイデアです。それで重量稼げますからねぇ。業務用の重量級の三脚でなくても工夫次第で使えますね。
測量では普通は考えられないくらいにシビアなセッティングが必要になってくるのですね。
トンネル測量で誤差があったら、山の左右から掘っていって、つながらなくなってしまいますからねぇ。
かわはらさん
プロ用は必ずセンターポールの下にフックがあって、そこへ重石を吊るせるようになっているのですよ(^^)v
三脚ブレはこれで回避ですね(^^)v
測量は測定が命なんで、すごい測量は1秒とか2秒の測定があります。紙切れが触れただけで誤差がでるぐらいシビアです。でもヒゲはそんな測量はしませんでしたから(やってられません、気が狂うでしょう(^^;)、往復巡回式の測量ぐらいです。
でもこれはほんと面倒です。普通は目標を測ってデータ記入して終わりですが、それをぐるっと180度トランシット回して、もう一度測って、バックの杭やトラバーをもう一度そのまま測定、また180度回して測定とかなり時間がかかります。
機械誤差をこれで出しますが、全体の林道でもなんでも始点と終点まで測り終えたら、一方向だけで追って測っていくとすごいズレがでるのです。それをこうして往復ではかると数秒の誤差になりより正確な測点を生み出せるのですね。(^^)v まぁ普通の一方向でも全体の誤差は角測点に振り分けて、それは我々のような人間が配分しています。(^^;
測量は数学出来て、図面がひけて、アウトドアで山登ってサバイバルできて、力いって、機械に明るくないとできないというとんでもない職業の一つだと思っています。
業務用の三脚の構造を教えてくださってありがとうございます。最初から重しをぶらさげられるように設計されているとは驚きです。
測量は誤差を出さないように、様々な補正方法があるのですね。正確にやるには工夫が必要なのですねぇ。
かわはらさん
色々とプロ用はやはり考えている品物ですねぇ、それにプラス耐久性が要求されていますから材質が違って高いわけですね。
昔局にいたころ、イケガミのモニタなぞはプロ用でとても高くまず一般の人など知らないし買うことがないので非常に高かったのですが、画面の色合い等は新品のソニートリニトロンの方が数倍綺麗で、一般コンシュマーの方が良かったのですよ。しかしそれって数ヶ月ぐらいの話で、1年もしたらやはり安定した新品から変わらぬ絵を吐き出すイケガミのモニターがそこにあるわけで、ソニーのトリニトロンなどはボロボロなんです・・・でもまぁ毎日みていると分かりませんけどね。(^^;
プロ用はどちらかというと(写真の世界はちょっと違うかな)「ある一定のレベルの性能をどんな状況下でも維持して安定した仕事をする」といった具合で違いがあると認識しています。
まぁトランシットなどは確実に普通の人は使いませんから、これはプロ用しかないのですが・・・(^^;
人間のランドサーベイ&ジオイドに関する英知を積み重ねたものに、測量って触れられる貴重な体験でした。宇宙を知るのと同じくらい面白い世界でしたです。(^^)v
業務用機器の値段が高いのも伊達ではなく理由や意味があるのですねぇ。
測量も普通の人では経験することのできない貴重な体験ですよね。
かわはらさん
プロ機とコンシュマーとの違いはこんな所にあるんのですねぇ、ただカメラってそこらがかなり曖昧です。
特にデジタルになってここまでポンポン新型でて写りが無茶苦茶かわらないのですから何なんだ?って感じです。
またそこを重箱の隅をつつくような、アザワーズ・・・顕微鏡でデジタルの写真を見て比較するような事をしている人がたぁーくさんいて、なんとなくアホらしくなっています。
そんな事するのが好きな人たちなんだなぁ~と・・・でもまぁやってくれるのでこちらは勉強にもなっていいのですが、自分では絶対せんな!(しないなの岡山方言)となります。
写真していながらチナチマする作業が苦手(出来ないで苦手ではないのですが)・・・(^^; ヤレヤレはヒゲのほうかもしれません。(^▽^;)
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